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ストーリーテーラーと共に繰り広げられる
幻想的なライブでした。
ライブと言うよりはホント、『ＳＨＯＷ』を見てるようでした。

ステージに吸い込まれるような雰囲気を是非見てみたいし、
当日足を運べなかった人も味わってもらいたいと思います。

それにも関わらず、バンド・ブームと言われた８０年代後半から９０年代前半の時流に十分に乗り切ることはできなかったと言えるであろう。

ヴォーカルを務めた辻仁成（つじ・じんせい）は、その後小説家となり、『海峡の光』で芥川賞も受賞し、作家としての確固たる地位を気づきつつある。村上春樹、村上龍の次の世代の旗手として、活躍が期待されている（氏は、詩人、映画監督でもその多才ぶりを発揮している）。
さて、このライブでは、リラックスしたJinseiの貌が見られる。

オープニング当初は夕日が傾きかける頃で、緊張感とノスタルジーが交錯する。そして中盤になる頃は夏の夜空に変わり、月が雲隠れする（逢えてこのような空を数回撮影する視点は見事に抒情感を沸き立たせました）正に野外の醍醐味だ。そしてサーカスを模した特設ステージをバックに安全地帯にぴったりの淡いカラーのライトをバックに、そして玉置の哀愁あるボイスと泣きの旋律のツインギターそしてその感傷感を増幅させる、薄いスモッグの特別演出と彼らの体をたなびかせる夏の浜風。本当に伝説のライブに相応しい。私はリアルタイムの世代ではないけど、当時の世代にはノスタルジー感に思いっきり浸れること間違い無いです。

選曲も素晴らしく良い。前半はアルバム曲をメインに選曲されていてバラード調が多い印象。「風」は特に気に入って野外ステージの魅力をさらに包みこむような曲でした。後半は、「エクスタシー」辺りからノリノリの曲が多くなりシングル曲が中心のベスト的なライブが楽しめます。中盤〜後半は最高の曲ばかりで、何の異論も無い状況です。「恋の予感」「熱視線」等玉置の魅力全開で、「真夜中過ぎの恋」のイントロギターもぞくぞくします。また間に「青い瞳のエリス」「あなたに」の名バラードも挿入されていますが、それがまた素晴らしい！哀愁ある美声と夜空に放出される楽器音が夏の夜空を彩ります。

監督特有のジャジーで都会的な音楽と（監督自らサウンドも監修！）、サイレントなスローモーションがストーリーを叙情的に引き立ててます。しかも今回はＮＹが舞台なので、まぁスタイリッシュなシーン満載です。